3i 社製品紹介
Lattice LightSheet 顕微鏡
Marianas LightSheet 顕微鏡
3i(Intelligent Imaging Innovations)社は、細胞生物学、免疫学、神経科学、コンピューターサイエンスを専攻する複数の科学者らによって1995年に設立されました。製品群の最先端のライブセル&生体内顕微鏡は、独自のソフトウェアSlideBook 64bitにて制御されます。3i社の目的は、生物学研究分野に先進的かつ直感的操作が可能で、ニーズに応じてモジュール化されたオプション群を組み合わせた多次元顕微鏡を提供することと、研究者の先進的な要求に対応することを目的としています。
製品はLatticeやMarianas LightSheet顕微鏡(diSPIM)やWide-Field型epi光学系を使用した倒立顕微鏡システムのMarianas、Intravital Imagingを目的としたVIVO、正立顕微鏡を使用してスピニングディスクコンフォーカルユニットやレーザーを組み合わせたEverestのシステムや、3Dホログラフィー技術を用い、複数座標を同時に光刺激可能なPhasorを始めとしたPhotomanipulationシステムを主な製品としております。
Lattice LightSheet 顕微鏡
Lattice LightSheet顕微鏡は2014年ノーベル化学賞を受賞されたDr.Eric Betzig氏によって開発されました。細胞に照射する励起光を400nmの薄さのシート状の光にすることにより、従来の顕微鏡手法よりも光毒性を格段に抑え、3D情報を100f/s以上の高速で撮影し、生細胞の4D撮影をインターバルなく超高速に連続撮影可能としました。まさにライブセルのための時空間超解像ライトシート顕微鏡と言えるでしょう。
diSPIM
Marianas LightSheet顕微鏡(diSPIM)は励起光をシート状の光束にすることによって生細胞への光毒性が低く抑えられ、解像度がX,Y,Z 330nmx330nmx330nm と、isotropicかつ高解像度により、細胞内オルガネラを高速&高解像度で撮影し、長時間のライブセルイメージングを可能にしたライトシート顕微鏡です。2方向からのシート照射により、シングルシート観察よりも高解像を実現。Phasor, Vector, Ablate!TMのようなPhotomanipulation用のレーザーを3番目の対物レンズより照射可能です。
Marianas
Marianasは倒立顕微鏡ベースでWide-field epi光学系を採用しており、TimeLapseや3D Deconvolution, FRAPやFRETまで、幅広いアプリケーションに対応します。更に、Photomanipulationシステムやスピニングディスクコンフォーカル、TIRF光学系といった豊富なオプション群を追加することによってアプリケーションの更なる拡大を実現します。また、お客様のニーズに合わせたカスタマイゼーションが可能で、ほぼ無限大の最適化が可能です。
VIVO
VIVOシステムは生体内イメージング(生きている動物内イメージング)に最適なシステムです。生体内イメージングは血栓や止血、免疫、血管生物学、血管新生、生化学、遺伝子治療、開発、および癌生物学を含むいくつかの分野で実現となっています。特に真皮/スキンフラップ、腸間膜、挙睾筋、脳の微小血管といった血管床イメージングや、大腿及び頸動脈などの大きな血管のイメージングに理想的です。
Everest
Everestは、すべてのWidefield蛍光アプリケーションと透過光撮影アプリケーションのための正立顕微鏡システムです。エベレストの一般的な用途は、マルチチャネル蛍光イメージング、Ratioイメージング、FRET、3Dデコンボリューション、タイムラプス、ラージモンタージュとステレオロジーが含まれます。エベレストは、スピニングディスク共焦点、恒温装置、FRAP、高速4Dイメージングとデュアルカメラ同時画像取得を含む多数のハイエンドのオプションで拡張可能なシステムです。
Phasor
3i社はコマーシャルベースで世界初、位相限定空間光変調器(SLM)を用いて、顕微鏡上で3Dパターン照射が出来るフォトマニピュレーションシステム;Phasorをリリースしました。Phasorは顕微鏡にダイレクト接続も出来る程度に小さくモジュール化されており、光照射は3i LaserStackより光ファイバー経由で照射されます。PhasorはSlideBookソフトウェアによって制御され、照射エリア指定やホログラム生成、光経路切り替えの同期、励起光の切り替え等の一連の動作をSlideBookにて一元コントロールします。この最先端の技術は、光刺激やPhoto-Conversion、FRAP、Photo-Activationを含むパターン照射式Photomanipulationを組み込んだ洗練された実験系を組むことが可能です。
特徴
- nm分解能での複合ROI指定
- 複数ROIを同時刺激
- 入射光の100%がSLMに入射
- 高速アップデート ( ~60Hz)
3D 光刺激能力
- フォーカルプレーン以外のZ平面に刺激可能
- 異なるZ平面上の複数ROIに同時刺激可能
- 異なるZ平面上の同時の画像取得と光刺激が可能
Phasor photoconversion of a PA-GFP in larval zebrafish spinal cord. Dorsal view (left), transverse view (right), 20µm scale. Image courtesy of Dr. Ehud Isacoff, UC Berkeley
Vector
3i Vector™は、UVからIRまでの幅広いレンジのレーザーが使用できる回折限界に迫る高速X,Y ROIスキャナーです。ベクターは、0.3msの高速シングルポイントシークタイムと高速ROIスキャン(毎秒1500ライン)にて生きた試料の相互作用を調べることが出来ます。ベクターの一般的な用途は、 FRAP 、光活性化、光アブレーションとアンケージングです。 mSwitcherを使用すると、高度なマルチモーダルメソッド用のスピニングディスク共焦点との同時使用を可能にします。ベクターはまた、多光子イメージングまたはレーザー走査共焦点顕微鏡などの高速走査画像化技術のために設計されています。
Ablate!
Ablate!™レーザーアブレーションシステムは減衰可能な 532nmのパルスレーザー(>60μJ pulses @ 200Hz)を用い、細胞内構造に回折限界スポットにて局所的なダメージを与えることが出来ます。Ablate!™は光の自動強度制御を有し、定点刺激及びスキャニング刺激の両方が可能です。顕微鏡への直接結合は、最適なパワー供給およびノッチダイクロイックフィルターセットがWidefieldまたは共焦点イメージングの同時イメージングを可能にします。Ablate!はSlideBookのPhotomanipulationモジュールを含んでおり、ユーザーが1つの回折限界のスポットとして、またはユーザ定義ROIとして光照射する領域を定義することができます。
SlideBook
SlideBookデジタルマイクロスコピーソフトウェアは、豊富な機能により顕微鏡を用いた研究を前進させます。SlideBookは機器制御からイメージプロセッシングやデータ解析までの全工程を管理することにより、研究者様は機器制御だけにフォーカスすることなく目的追及に集中できます。
SlideBookはあらゆる外部機器をコントロールするドライバーを標準装備しています。オンラインでは、撮影プロトコールマクロに色合成やサンプル座標情報を入れ、自前の3Dフォーマットに画像をスタックしていき、オフラインでは、様々な計測機能で画像解析が可能で、画像のExport/Importも行えます。デコンボリューションからMultiPhotonと組み合わせた光刺激システムまで、アプリケーションに応じた豊富なオプションモジュールが組み合わせ可能です。
The 3i LaserStack with Fiber Switcher
A close up of the 3i Fiber Switcher
LaserStack
LaserStackは10種類のソリッドステートダイオードレーザーから組み合わせることができ、光ファイバーを経由して顕微鏡にレーザー光を導入できます。
Available Lasers
- LaserStack 405nm - 100mW
- LaserStack 445nm - 75mW
- LaserStack 473nm - 75mW
- LaserStack 488nm - 50mW and 150mW
- LaserStack 514nm - 45mW
- LaserStack 561nm - 50mW and 100mW
- LaserStack 594nm - 50mW
- LaserStack 640nm - 100mW
- LaserStack 660nm - 100mW
その他、下記レーザーは個別に顕微鏡に導入できます。
- SingleLine 405nm 100mW
- SingleLine 445nm 75mW
- SingleLine 488nm 50mW and 150mW
- SingleLine 640nm 100mW
- SingleLine 730nm 30mW
- SingleLine 785nm 50mW
FiberSwitcherTMによるデバイス間の高速波長切り替え
オプションのFiberSwitcherを用いることにより、最大4つのデバイスにレーザー光をサブミリセカンドの高速で切り替えて分配することが可能です。Spinning Disk ConfocalやTIRF, Vector, Phasor, FLIMといったデバイス間での高速波長切り替えに用いられます。
The mSwitcher PS4 (left) and PS3 (right).
mSAC can be directly mounted to the mSwitcher PS4 (left) or PS3 (right).
mSwitcher
高速ガルバノミラーを用いたmSwitcherは、1msの高速で1 input(1 optput)光路を3 output(3 input)に切り替えます。
The 3i mSwitcher high speed galvo port switcher allows rapid, 1ms selection of three optical output (or three input) paths for one input (output). This enables direct combination of multiple devices and methods.
The mSAC, when attached to the mSwitcher PS3
mSAC
球面収差は顕微鏡の対物レンズを通る光においては最もシリアスなモノクロマチック欠陥です。mSACはその球面収差を補正する光学系を備え、ピンボケを解消し、コントラストを向上させます。
Spherical aberration (SA) is the most serious monochromatic defect that occurs with microscope objectives. Indeed, SA is the limiting physics for most of 3-D microscopy. SA causes the image to appear blurry with less contrast. SA is generated when there is material with a different refractive index than the lens designer's specification between the front of the objective and the image plane. Typically, SA becomes more serious as one focuses deeper into samples.
mSAC Data with Confocal
Living samples (GFP Histones) imaged with a 63x 1.4 NA oil objective, SAC technology and a spinning disk confocal: Neutral SAC (left) and Rolling SAC (right).
GFP Mouse Embryo 100µm, imaging distance, 40x objective with Neutral SAC (left) and Rolling SAC (right).
Connector-side of TTL Synchronization with LaserStack input.
Connector-side of the small Synchronization module.
TTL Syncは、複数のTTLインプット/アウトプット信号を仲介するコントロールボックスですSlideBookソフトウェアと組み合わせることにより、様々なアプリケーションに対応します。
TTL Sync
TTL Synchronization (TTL Sync) provides sophisticated electronic control of carefully timed devices in a microscopy system. In combination with SlideBook software, TTL Sync can both create and receive triggering signals from a variety of devices and orchestrate their cooperative function throughout an experiment. Timing that is simply not achievable through standard USB and serial connection to a PC is made possible by custom circuitry operating independently of but in cooperation with the computer and operating system.
At a basic level, TTL Sync provides software control of analog/digital I/O boards, utilizing them to direct a variety of signals via TTL and other methods. Key to this functionality is pulse generation and recording. This module can also be used to synchronize external stimulation and data collection instruments, such as electrodes, patch clamp recording devices, and perfusion systems.